新日本フィルハーモニー交響楽団は小澤征爾さんら元の日本フィルハーモニーの団員で立ち上げ
新日本フィルハーモニー交響楽団の母体は、1956年に設立された日本フィルハーモニーでした。放送に関して専属関係にあった文化放送やフジテレビとの契約が解除され、財政的な基盤であった財団法人が解散されたことを契機として生まれました。
新日本フィルハーモニー交響楽団を立ち上げたのは、当時日本フィルハーモニーの主席指揮者を務めていた小澤征爾さんをはじめとする方です。創立当初の団員は、元の日本フィルハーモニーの団員のうちの三分の一だったそうです。
スポンサーを持たない苦難の旗揚げで、それでも既に海外を中心として活躍していた小澤さんを主席指揮者とした新日本フィルハーモニー交響楽団は注目を集めていきました。何といっても「世界の小澤」です。新日本フィルハーモニー交響楽団においては1991年に名誉芸術監督、1999年に桂冠名誉指揮者となりました。
活動の拠点を海外に置いていた小澤さんが日本でタクトを振るうオーケストラとして、新日本フィルハーモニー交響楽団の動向は常に話題となっています。
新日本フィルハーモニー交響楽団はフランチャイズ制を取り入れたオーケストラ
1997年以降、新日本フィルハーモニー交響楽団は活動の拠点、いわゆる「フランチャイズ」を東京都墨田区の「すみだトリフォニーホール」としています。フランチャイズ制を取り入れたオーケストラは、日本においては新日本フィルハーモニー交響楽団が初めてでした。
2003年には音楽監督として、将来の嘱望される若手指揮者のクリスティアン・アルミンクさんが就任しています。
新日本フィルハーモニー交響楽団は、バラエティに富んだ公演にも定評があります。
1985年に行われた欧州公演、1998年には小澤征爾さんとロストロポーヴィチさんとの指揮によって行われたロシア公演などが成功裏に終わっています。また、独立したコンセプトによって行われる公演にもファンが多くいます。
「小澤征爾オペラシリーズ」、「室内オーケストラシリーズ」など、聴衆のニーズに応えるプログラムが常時考案されているのです。
新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ
スタジオジブリの映画音楽などを広く手がけることで知られる音楽家の久石譲さんと新日本フォルハーモニー交響楽団とでタッグを組み、2004年から『新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ』が新たに展開されています。
新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラでは、オーケストラといえばクラシック音楽という概念が覆されています。
「千と千尋の神隠し」や「崖の上のポニョ」といったジブリ映画の楽曲が披露されるなど、オーケストラファンの裾野を広げることにも一役買っています。